桂歌之助上京掲示板
弱者を助けるのは、、。
- 桂歌之助
2025/02/26 (Wed) 00:46:17
映画「過去のない男」を観ました。
2002年のフィンランドの作品。
旅行の途中に暴漢に襲われ記憶を無くした男が、社会の最下層で生きる道を見いだす物語。
当時の国の状況が色濃く出ているように感じました。
暴漢に襲われ血まみれになっている者に手を差し伸べる人もなく、担ぎ込まれた病院も早々に匙を投げる。
記憶を無くし、名前を名乗れない男に職安も警察も取り合わない酷いお役所体質。
名前なんて無くても良いと雇ってくれる工場の担当者は大らかなのではない、従業員をモノとしか見ていないのだ。
一方、銀行の貸し剝がしにあって破綻した別の経営者は何とか確保したなけなしの金を元従業員に配って命を断つ。
まっとうに生きる者の居場所が無い。
まっとうに生きる意味が見つからない。
そんな社会で全てを失った男を助けるのが最下層に生きる人たち。
自分たちが生きていくだけで精一杯なのに同じ弱者を見捨てる事が出来ない。
一方、そんな弱者からも金を搾り取ろうとする者もいる。
どこの国にでもあるであろう人間模様。
それを適度なユーモアを交えながら描いています。
不器用な主人公はほとんど無表情で小さい目のわずかな表情に感情が現れる。
そのキャクター設定が、静かな物語と、放り出された理不尽な状況にも負けない力強さを醸し出していると思います。
ドラマは冒頭にだけ起こる静かな静かな物語。
過去のない男に豊かな未来があることを示唆するラストシーンに安堵しながらエンディングの歌を楽しんでいました。
いずれ遺産に?
- 桂歌之助
2025/02/24 (Mon) 23:24:25
久しぶりに京都駅に降り立つ。
この駅が出来て20年は経つでしょう。
当時、古都京都の玄関口がこんな無機質な建物で良いのかという意見もあったようです。
日本建築をモチーフにしたデザインが妥当ではないかというもの。
しかしこの圧倒的な劇的空間はそんな意見を飲み込んで当時も今も訪れる人の心を奪います。
先日紹介した梅田のスカイビルと同じく原広司さんという建築家の設計です。
どちらの建築も今でも内外の人々の関心を集める。
凄いことです。
海外からの旅行者が夢中でこれらの建築の写真を撮っているのを見ると、自分は関係ないのに何故か誇らしい気持ちになります。
老舗が閉店。 - 桂歌之助
2025/02/05 (Wed) 00:48:26
昨今、全国的に聞かれる老舗人気店の閉店。
多くの理由が人気店故にたくさんの仕込みが必要。
ところが、後継者が無く現役の高齢者のみでそれらがどうしても維持できない。
本当に悲しい事態です。
宝塚の老舗和菓子屋、「つるや」がひっそりと閉店しました。
日常的にこの店の表を通っていたのですが、何か違和感を感じてよく見るとガラス戸の中はガランどう。
たまにヅカ乙女というプリプリの和菓子を手土産に買っていたのですが、、。
高齢の御夫婦が誠実に店を切り盛りしていたのが思い出されます。
そして店のガラスにはこんなお客さんからのメッセージが貼られていました。
これが、この店の大半を物語っています。